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<書籍案内>未必の故意と密室の恋 [メグリカワ書房]

はいはい。




突然現れては、オススメ本をふらりと紹介していくメグリカワ書房。

本日も臨時開店でゴザイマス





学生時代。

家庭の事情で、高校卒業二ヶ月前まで無事大学にいけるかどうか怪しかったんデスが(この理由についてはまた別の機会に)、結局ワタクシは『大学の普通科』である法学部に進学した訳デス。
本当に勉強したかったものでもないので、あまり力を入れて学んだ記憶はないデスが、一つだけ強烈に覚えている言葉が。


『未必の故意』

⇒犯罪事実の発生を積極的には意図しないが、自分の行為からそのような事実が発生するかもしれないと思いながら、あえて実行する場合の心理状態(大辞泉)



語呂がねぇ。
何となく、『密室の恋』に似ててねぇ(笑)

途端に何か淫靡な感じになるでしょ?


語感て、不思議なモノデス。


というコトで、今回ご紹介するのはこちらのお品



著: 嶽本 野ばら

『シシリエンヌ』

出版社: 新潮社




ちなみに文庫版だとこんな絵面。




単行本の方が、デザインは好きデスね。

小説のイメージがやっぱり赤だからかしら。



『僕』と、僕の従姉妹の『貴方』。


はっきり言って、閉ざされた空間で、二人がセックスしているだけの小説とも言えマスが。


生地の質感、香りに目を向けた表現をしているからか、いやらしくはない。

少なくとも欲情を誘うものではないな。


深夜の美容室で。
謎の舘で。

『僕』と『貴方』はひたすら求め合う。

『僕』にとって『貴方』はファム・ファタール(Femme fatale、「運命の女」)だったんデショーなぁ。

だから、決して手に入れられないことがわかっているのに、それでも望んでしまうんだろうね。





ところで。

先程、『いやらしくはない』と言いましたが。

この小説は、官能的ではアリマス。

では、欲情させる為の小説、つまり『官能小説』と、『官能的な小説』では何が異なるのか。

つまるところ、普遍的かどうかかと思われマス。

定型であるか、多少逸脱していても『予想された』マイノリティか。

どちらかデス。


では、この小説の場合は、どちらでもない。

それは、『正常』に対するアンチテーゼデス。

従って、人によっては、内容に嫌悪感または嘔吐感を抱くかもしれません。

でも、これが人間の人間たる由縁だとワタクシは思っていマス。

多分、合理性を求めるカツマーには時間の無駄にしかならないかもしれん(笑)


でも、そもそも、生き方に意味なんて求めちゃいかんのだよ。

意味の無いところにこそ、真実は潜んでいるのだから。





たまには、エロスなお品もご紹介するメグリカワ書房。
またのご来店をお待ちしてオリマス。
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コメント 4

ヒサ

なるほど・・・
官能と官能的の違い、面白い解釈ですね。
妙に納得しました。


身近な例であげると、乳首と書かれるよりも、
B地区とかNEW輪さまとかの表現の方がグッと
くるような感じでしょうか。

ひ○さん、やるな~ (; ・`д・´) (笑)
by ヒサ (2010-05-26 00:11) 

MEG

ヒサさん

=====
ひ○さん、やるな~ (; ・`д・´) (笑)
=====
隠れてません[手(パー)]゛(笑)

ちなみに、洋物Pはエロスじゃない気がしマス、ワタクシの独断と偏見デスが(爆)
by MEG (2010-05-27 18:08) 

ひね

=====
洋物Pはエロスじゃない気がしマス
=====
そんなMEGさんにお勧めは、ポーリーヌ・レアージュ『O嬢の物語』、澁澤龍彦関連で既読やも
by ひね (2010-05-30 22:20) 

MEG

ひねさん

『O嬢の物語』、『ソドム百二十日』、『一万一千本の鞭』…
そのあたりは一応[嬉しい顔][飛び散る汗]
読んでると感覚が行方不明にナリマスが(笑)
by MEG (2010-05-31 14:31) 

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